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[病気]  がんの増殖を促進する変異とそうでない変異
2019.7.23 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

今まで、がん腫瘍中の反復突然変異(ホットスポット変異)は、がんの進行を促進する重要な突然変異(ドライバー変異)と信じられていたが、米国カリフォルニア大学の研究は、それが常に真実とは限らないことを『サイエンス』誌に報告している。

がんの進行に重要なドライバー変異を検出する方法は、患者間にみられる反復突然変異を指標にしてきた。多くの患者間で繰り返し見られる厳密に同じDNA塩基対の突然変異は、その変異が腫瘍発生に寄与するという議論の余地ない証明と受け取られてきたのである、

けれども今回の研究によれば、多くの反復がん突然変異は、パッセンジャー変異であり、がんの発生に重要ではないという。

「今回の研究で我々は、一般的なDNA構造であるDNAステムループに見られるある種の再発性変異が実際にはパッセンジャーのホットスポットであり、我々がそれらが本来あると信じていたドライバーではないことを同定した。より重要なのは、我々がステムループの外側のDNAで見つかった他の反復突然変異が、これまで特徴付けられていなかった新しいドライバーかもしれないことを発見したことだ」とレミ・ブワソン博士は語っている。「我々の知見の重要性は、我々に変異間のいずれが本質的な変異であるかという弁別能力をもたらしたことだ。」

研究チームは、9,000人以上の患者のがんゲノムにおける突然変異の分布を調べ、ある種のホットスポット変異がAPOBECたんぱく質ファミリーの活性から生じることを同定した。

「我々の分析は、とりわけ、APOBEC3AがステムループまたはDNAヘアピンと呼ばれるDNA構造に対する強い特異性があることを示した。この特異性が患者の腫瘍中にホットスポット変異を作り出している」とブワソン博士は語っている。

ヒトの細胞中では毎日数万回のDNA損傷が起こる。APOBECファミリーは、がん細胞における最も一般的な内因性DNA損傷の原因の一つであるという。APOBEC3Aは直接ゲノムDNAを攻撃し、DNA2本鎖を破壊し突然変異を起こす。これまで、APOBEC3AがどのようにゲノムDNAを標的にするのかほとんどわかっていなかった。

出典は『サイエンス』。 (論文要旨)      
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