2019.7.22
, EurekAlert より:
ユニークな「化学的バーコード」を用いて天然植物成分の認証が可能になった、というカナダ国立研究評議会とダルハウジー大学からの研究報告。
天然成分を含むニュートラシューティカル、化粧品、ハーブ薬を選択する消費者が増えており、これらの製品は薬局やスーパーで容易に入手可能であるが、専門家や一部の消費者は、その安全性、有効性、品質に懸念を抱いている。
米国では、天然健康製品は、食品でも薬品でもない、栄養サプリメントという位置づけになっており、定期的な安全性や品質チェックの義務がない。
近年研究者らは、天然成分の認証に、DNAバーコード技術を使うようになってきた。この方法は、遺伝配列から植物を同定できるが、根、茎、花、葉といった部位(器官)を区別することはできない。またDNAバーコードでは、化学物質や賦形剤、医薬品の添加を検出することはできない。
今回ファブリス・ベルーら研究チームは、DNAだけでなく、含まれる化学物質を同定するバーコードを測定する方法を開発したという。
研究チームは、20種類の天然成分検体(朝鮮人参、ボイゼンベリー、有機チェリーなど)に含まれる化学物質を核磁気共鳴分析(NMR)によって分析した。そして、得られたケミカルフィンガープリント(化学指紋)によって、化学物質が閾値以上にあるかないかで0か1にバーコード化した。
統計分析によって同じおよび類似の検体を正確に測定でき、不活性な成分や賦形剤などを区別できることが検証されたという。
研究チームでは、今後化学バーコードのライブラリを整備して天然健康製品の認証に使える日が来ることを期待している。
出典は『農芸・食品化学雑誌』。 (論文要旨)
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