2019.7.17
, EurekAlert より:
アルツハイマーの診断が、新しい血液マーカーの測定によって可能になりそうだ。プライマリ・ヘルスケアでの診断ツールとしての承認を目指し、今秋にも臨床現場での試用が始まるという。スウェーデン・ルンド大学とロシュ社の研究。
現在、アルツハイマーの診断においては、おもに髄液サンプルの採取またはPETスキャナーによる脳の画像診断のいずれかによって、β-アミロイドの異常な蓄積を確認し、病気の有無を判断している。
「これらは専門医による診断のみによる高価な方法です。そのため私たちは研究で、より簡単な診断ツールを探し求めてきたのです」とルンド大学パルククビスト准教授は述べている。
この研究は複数の医療センターの共同研究であり、単純な血液検査でβ-アミロイドが脳内に蓄積し始めた人々、すなわち潜在的なアルツハイマー患者を特定できるかどうかを調べた。臨床診断および一次医療におけるスクリーニングに適していると考えてられる、この単純で正確な方法をによって、研究チームは血中のβ-アミロイドを高い精度で同定することができた。
「血液検査を用いた方法に関して、従来の研究では特に良い結果は得られていませんでした。アルツハイマーの患者と健康な高齢者との間には、わずかな違いしか見られなかったのです。1年ほど前、アルツハイマーを極めて正確に検出する、血液サンプルを用いた方法が発見されました。これまでのところ困難なのは、それらが高度な技術を必要としており、現在の臨床診断法ではすぐに利用できないことです」とパルムクビスト准教授は述べている。
しかし准教授らの発見した方法はロシュ社が発展させ、高精度で血中のβ-アミロイドを完全に自動測定する技術が開発された。「私たちは長い間ロシュ社と協力してきましたが、世界中の日常的な臨床ケアで使用可能なレベルの精度に、まさに今、近づき始めています」と、共著者のハンソン教授は話している。
出典は『JAMA神経学』。 (論文要旨)
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