2019.7.16
, EurekAlert より:
唐辛子が辛すぎてつらいときは、牛乳を飲むとよいようだ、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。全乳でもスキムミルクでもいいという。
研究チームは、42名の女性と30名の男性を対象に種々の飲料の効果を検証した。参加者は、カプサイシンを含むスパイシーなブラディマリーミックスを飲み込んでその辛さを評価し、次に飲料を飲んで、10秒ごとに2分間の辛さの知覚変化を記録した。
飲料は、純水、コーラ、チェリー味のクールエイド、セルツァー(炭酸水)、ノンアルコールビール、スキムミルク、全乳とした。トライアルは8回行われ、1回は飲料なしとした。
スパイシーなブラディマリーに対する参加者の平均的な辛さの評価は「強い」未満「中程度」以上で、その後2分間で「弱い」に変化した。すべての飲料が、有意にブラディマリーの辛さを弱める作用を持っていたが、最大の効果は、全乳、スキムミルク、クールエイドで観察された。
これらの飲料が刺激を和らげる方法を明らかにするためにはさらなる研究が必要である、と筆頭研究者で大学院生だった現在は助教授のアリッサ・ノルデン博士は語っている。博士によれば、カプサイシンが、脂肪、たんぱく質、糖分と相互作用することが考えられるという。
「牛乳がベストチョイスであることは驚かなかったが、スキムミルクが全乳同様に効果的であることは予想していなかった」と博士は語っている。「それはつまり、明らかに脂肪が必須ではないということだ。おそらく脂肪以上にたんぱく質が重要なのだろう。」
「ビール、ソーダ、セルツァー水などの炭酸飲料は十分な効果をもっていなかった」と博士は語っている。「クールエイドの場合、それがカプサイシンを除去するとは思えないので、甘味が辛味を圧倒するためだろう。」
「通常このような実験では、カプサイシンを水に入れて使うことが多いかもしれない。だが、我々はもっと現実的なセッティングで検証したいと考えてスパイシーなブラディマリーを選んだ」とノルデン博士はコメントしている。
出典は『生理学と行動』。 (論文要旨)
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