2019.7.5
, EurekAlert より:
8年の間に赤肉の摂取量を増やした人々は、そうでなかった人々に比べて、続く8年間に死亡リスクが高まりそうだ、という米国ハーバード大学からの研究報告。
研究チームは、看護師研究(1986-2010年)に参加した53,553名の女性と、医療専門職追跡研究に参加した27,916名の男性のデータを使用し、1986年から1994年にかけての赤肉摂取の変化と、1994年から2002年にかけての死亡率から、両者の関係を解析した。
赤肉の1日摂取量が1サービング(80g)の少なくとも半分(40g)を増やしたヒトは、死亡リスクの10%の増加と関連していた。同様に、加工肉の1日摂取量が1日サービングの少なくとも半分を増やしたヒトは、死亡リスクの13%の増加と関連していた。
加工肉の摂取を同様に減らしたヒトは、死亡リスクの低下と関連していた。
なお、1986-2006年の肉類の1日平均摂取量の変化をみると、以下の通りであった。(※) ・非加工赤肉:男性66g→59g、女性65g→44g、 ・加工肉 :男性10g→10g(変化なし)、女性9g→6g
研究チームでは、赤肉摂取と死亡リスクの増加は、赤肉に含まれる、飽和脂肪酸、コレステロール、ヘム鉄、保存料、高温調理による発がん物質のような心臓代謝系妨害物質の組み合わせに起因するものだろう、と示唆している。
赤肉の摂取は、最近では、腸内細菌に由来する代謝物トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)による動脈硬化の促進とも関連付けられている。
※参考:最新の国民健康・栄養調査(平成29年)における、日本人の肉類の1日平均摂取量は次の通り。
・非加工赤肉:男性63.3g、女性45.8g、 ・加工肉 :男性15.0g、女性11.7g
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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