2019.7.3
, EurekAlert より:
栄養学の知識は今日の医師にとって必須である、という米国責任ある医療のための医師の会会長ニール・バーナード医師のコメンタリーが発表された。
バーナード医師は、肥満、糖尿病、心疾患、ある種のがんは不健康な食事によってもたらされるが、大部分の医師はこの問題に向き合うだけの知識を欠いていると述べている。2018年の調査では、61%の内科医がほとんど栄養の訓練を受けたことがないと回答した。
コメンタリーの中で、バーナード医師は、長く糖尿病を患った合併症として、脚部の感染症で入院した患者のことを回想している。バーナード医師は十分な食事の変更によって、インスリン抵抗性と糖尿病は改善でき時には消失すると記しているが、患者の担当医は切断を推奨したという。
「2型糖尿病の根っこには、肥満とインスリン抵抗性につながる毎日の食事選択があるけれども、我々には切断の用意があり、決して患者の食事を改善しようという議論が始まることはなかった」とバーナード医師は書いている。
94%の内勤医が、食事の重要性を認識しており、栄養カウンセリングを診察の一部に含めるべきだと感じているけれども、わずか14%しかそのための訓練を受けていると思っていなかった。
果物、野菜、全粒穀物、豆の豊富な食事は、心疾患、高血圧、糖尿病、がんと闘う助けになることが多くの研究で示されているが、米国成人のわずか9.3%しか、野菜の推奨量を満たしておらず、果物も12.2%に過ぎない。
バーナード医師は、この医療コミュニティの栄養についての知識の欠如に対処する5段階の方法を提案している。(1)栄養学をすべての医師の卒後医学教育の一部の含める、(2)医師が登録栄養士と共に作業する、(3)電子カルテに栄養学的な疑問や覚書を書き込めるようにする、(4)医師は役割モデルとして健康的な食生活を実践する、(5)医療コミュニティが病院や学校などにおいて健康的な食環境をサポートする。
出典は『JAMA内科学』。 (論文要旨)
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