2019.7.2
, EurekAlert より:
10年以上長時間労働を行った人では脳卒中リスクが高かったという、フランスの国立衛生医学研究所(Inserm)からの研究報告。
研究者らは、フランスで2012年から行っている疫学研究(CONSTANCES)に参加した18-69歳の14万3,592人を対象に、性別、喫煙、労働時間について情報を収集した。 循環器疾患リスク要因と脳卒中の既往は、異なる医療調査記録からそれぞれ情報を得た。
長時間労働の定義は、10時間以上の労働を1年のうち少なくとも50日以上行った場合とした。
研究から以下のことが明らかになった。 ・1,224人が脳卒中を発症した ・長時間労働の人は全体の29%(42,542人)であった ・長時間労働が10年以上の人は全体の10.1%(1,4481人)であった ・長時間労働の人は脳卒中リスクが29%高く、それが10年以上だった人は45%高かった
「10年以上の長時間労働と脳卒中リスクとの関連は、50歳未満の人でより強いことがわかりました。また、多くの医療従事者は、長時間労働の定義よりもはるかに長い時間働いており、これが脳卒中のリスクを高めるかもしれません。臨床医として、私は患者に効率よく働くよう助言している」と著者である国立衛生医学研究所のアレクシイ・デスカタ博士は述べている。
先行研究では、事業主、CEO、農家、専門家、管理職では、長時間労働の影響が小さいことが指摘されている。これらの職業では、他の労働者よりも決定権が大きいことが理由かもしれないと著者らは述べている。
さらに別の先行研究では、不健康な労働の状態として、不規則な勤務形態、夜勤や仕事のストレスが示唆されている。
出典は『脳卒中』。 (論文要旨)
|
|