2019.6.21
, EurekAlert より:
食事と運動を組み合わせた(DRIVE)カリキュラムの介入が、子どもの体重増加を軽減するとともに、両親の体重減少にもつながるかもしれないという、米国ルイジアナ州立大学からの研究報告。
肥満の子どもは、肥満の成人となるリスクが4倍高くなるため、小児肥満は重大な健康問題といえる。
「両親は、子どもの生活環境に最も重大な影響を与えており、この食事と運動の介入プログラムを、州や連邦の既存の家庭訪問プログラムに追加することが、子どもの肥満の改善に役立つかもしれない」とキーリーホーキンス博士は述べている。
研究に参加したのは、2-6歳で体格が75%タイル値以上の子どもがいる家族、16組であった。参加家族は健康情報のみ受け取る対照群と、DIVE介入群に無作為に分けられた。
DIVEカリキュラムは、各家庭で15回の面談を行った。セッションは1回30分で、両親や子供は定期的なお菓子や食事の時間設定、テレビ等画面の視聴時間を減らすこと、活発な身体活動の推奨など、健康な日常について話し合った。また、各セッションでは、食事の準備、子どもの体重や成長に関する心配事、効果的な子育てについて小児科医と話し合った。健康情報を受け取った対照群は、研究開始時に、栄養、身体活動、親子の相互の影響に関する情報をメールで受け取った。
その結果、DRIVE介入群の子どもたちは、19週間の調査期間を通して、体重は維持できており、BMIはわずかに減少した。一方で、健康情報を受け取るのみだった群では、体重、BMIが有意に増加した。なお、DIVEセッションに参加した家族では両親も体重が減少した。
研究に参加した家族全員がプログラムをやり遂げた。これは参加者の75%が中断する、クリニックや地域で行われるプログラムよりも達成率が高かった。
自宅に訪問するプログラムは既に州などで実施されており、DIVEカリキュラムを追加することでさらなる効果が得られるかもしれない。
「研究の途中で子どもの健康は改善したが、両親の健康は最後になるまで改善しなかったことから、行動変容を支援するためには、家族を対象とした長期的なプログラムが必要性です」と研究者らは述べている。
出典は『栄養教育行動雑誌』。 (論文要旨)
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