2019.6.19
, EurekAlert より:
運動の効果は、行う時間帯によって異なる可能性が示された。朝の運動によって骨格筋の代謝反応が向上したのに対し、夕方以降の運動では長時間に渡るエネルギー消費量の増大がみられたという。デンマーク・コペンハーゲン大学の動物実験から。
健康的な概日リズムがどれほど重要かを、おそらく私たちは皆すでに知っている。だが、体内時計の健康への栄養に関する、新しい発見はさらに増えている。
コペンハーゲン大学などによる研究チームは、運動を行う時間帯によって異なる効果を生む可能性があることをつきとめた。夜行性動物であるマウスを用いた実験で、人間でいう朝にあたる時間帯に行った運動の効果が、夕方にあたる時間帯に行った運動の効果とは異なること、しかもその違いはかなりおおきいようであることを明らかにしたのだ。
「これらの違いは体内時計によって制御されているようです。朝の運動は筋肉細胞の遺伝子プログラムを起動させるとともに、より有効にし、糖と脂肪の代謝能力を高めます。その一方で、夕方の運動は全身のエネルギー消費量を長時間増加させるのです」と研究者のトゥリーバック准教授は述べている。
<朝の運動が夜の運動よりも良い、とは限らない>
研究チームは、転写反応や代謝産物への影響など、筋細胞におけるさまざまな影響を測定した。結果、いずれの領域においても朝の運動後に反応がはるかに強くなること、そしてこれは体内時計を直接調整しているたんぱく質HIF1-αを含む、中心的メカニズムによって制御されている可能性が高いことを示している。
朝の運動は、筋肉細胞の糖・脂肪の代謝能力を高めると考えられる。このような効果は、深刻な過体重の人や2型糖尿病など慢性疾患の患者の治療戦略への応用が期待される。
一方、今回の実験では夕方の運動が運動の数時間後にエネルギー消費量を増加させることも示された。したがって、必ずしも朝の運動が夕方の運動より優れていると結論付けることはできない、とツリーバック准教授は強調している。
出典は『細胞代謝作用』。 (論文要旨)
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