2019.6.6
, EurekAlert より:
母親の教育歴は、子供のBMIの強力な予測因子であるようだ、というアイルランド国立ダブリン大学トリニティカレッジ等からの報告。母親の教育歴は、早期の子供のBMIへ影響を及ぼし、さらに子供の成長と共に広がることが認められ、早期介入の必要性が強調された。
今回の研究では、3つのヨーロッパの子供関連コホートを使用し、母親の教育歴の差異と、乳幼児期、学童期、思春期における子供のBMI軌跡との関連を調査したという。対象者は、アイルランド、イギリス、ポルトガルの3カ国で経時的にBMIが測定された子供41,399名であり、社会経済的地理の指標として、母親の最終教育レベルを使用した。
結果は、母親の教育歴の格差と子供のBMIとの関連性が、子供が3歳時点で、明らかに認められたという。乳児期では、母親の教育レベルにより子供のBMIに差異は認められなかったが、高等教育まで受けた母親の子供と比し、初等教育、中等教育まで受けた母親の子供では、体重の増加が早い速度で認められた。
「今回の研究は、健康と平均余命の格差は、人生早期に始まり、5歳までに確立されることを示唆している。肥満の子供の多くは、長期的な健康影響を受け、成人期に肥満になるリスクが高くなる。例えば、アイルランドの他のデータによると、17〜18歳時点での肥満は、すでに血圧上昇と関連することが示唆されている。これは、喫緊の公衆衛生問題である」とリチャード・レイテ教授は述べている。
出典は『小児周産期疫学』。 (論文要旨)
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