2019.6.4
, EurekAlert より:
ヒト味覚細胞中に機能する嗅覚受容体が発見された。これは新たな食品フレーバー開発への足がかりとなるかもしれないという。米国モネル化学感覚研究所の報告。
研究チームは、通常は鼻で見つかる嗅覚受容体が舌の味覚細胞上にも存在することを発見した。これはつまり、嗅覚と味覚の間の相互作用が脳においてではなく舌の上で始まっている可能性を示唆するものであり、食品フレーバーの考え方に根本的な変革をせまる可能性がある。
多くの人がフレーバーと味を同一視しているが、殆どの食品の独特のフレーバーは味よりも匂いに由来する。舌の上の甘味、塩味、酸味、苦味、旨味を検出する味覚は、口に入れたものの栄養価と潜在的な毒性を評価する門番として進化した。それに対して、匂いは、フレーバーについての詳細な情報を提供する。例えばバナナ、リコリス、チェリーなど。脳は味と匂い、その他の感覚を総合してフレーバーを感じている。
研究チームは、培養したヒト味覚細胞に嗅覚受容体が発現していること、それが匂いの分子に反応することを示した。
「同じ細胞内に味覚受容体と嗅覚受容体が存在することから、相互作用を研究することができる」と研究者はコメントしている。
出典は『化学的感覚』。 (論文要旨)
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