2019.5.30
, EurekAlert より:
睡眠と身体活動が、親になったばかりの父親・母親の幸福度や夫婦仲、赤ちゃんとの親密度と関係していることが明らかになった。米国ペンシルバニア大学の研究。たとえば睡眠時間が他の父親より長めの父親の場合は幸福度が低く、妻子との親密度も低いが、反対に母親のケースでは幸福度が高くなることがわかった。
この研究では、様々な日常の行動やストレス要因が新米の親の生活や家族関係にどう影響するかを調べるため、生後10か月の赤ちゃんを持つ新米の父母・各140人あまりを対象に8日間にわたる毎日の電話インタビューを行い、過去24時間の日常生活やそれにかかる時間、またストレス・幸福感・配偶者や赤ちゃんとの関係などについて聞き取りを行った。
すると前述のように睡眠時間の長さが父・母では真逆に影響していること、さらに、父親が普段より多く運動した日には夫婦喧嘩のリスクが低くなるものの、母親がいつも以上に運動した日にはリスクが高まることがわかったという。これらの理由について、研究主導者のファインバーグ氏は、「母親が主に赤ちゃんの面倒を見るものとみなされているため」ではないかとしている。
というのも父親というのは、妻が自らのために運動などに普段より多く時間を費やすことに対して反対したり、ムッとしたりするということがある。(妻が運動で出かけている間に)父親がいつもより子どもと過ごす時間が長くなったためにストレスが多くかかり、いらいらしやすくなって妻との喧嘩が増える可能性もある、とファインバーグ氏。
親になったばかりというのは、親個人・夫婦のいずれにおいてもストレスになる一方で、赤ちゃんにとっては急速な発達を遂げる重要な時期であるため、この間の両親の幸福を理解し支援することが特に大切であるという。
ほとんどの親は、赤ちゃんとの新生活で楽しいながらも困難を感じる日々を過ごしているという。親たちが、どうしたらより幸福に感じる日々を増やせるか、自分自身でその方法をみつけてもらうために、この研究の結果が役立つかもしれない、と氏は述べている。
出典は『小児発達研究会モノグラフ』。 (論文要旨)
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