2019.5.24
, EurekAlert より:
3歳時に好き嫌いがあり、その後改善しなかった子どもには、10代になっても砂糖の摂取量が多いなど食品の摂取量の違いが見られた、という英国ブリストル大学からの研究報告。
子どもの好き嫌いは、就学前の子どもの栄養素や食品の摂取量が少ないことと関連があったことは知られているが、長期的な食事との関連は明らかになっていなかった。
研究では、1991年4月1日から1992年12月31日までに、英国で行われている大規模出生追跡研究のAvon両親・子ども縦断調査(ALSPA)研究に参加した14,541組の母子が対象であった。
2歳から5.5歳までの調査で、好き嫌いの多さによって分類を行った。子どもが3.5歳、10歳、13歳の時の食事調査データを用いて検討を行った。
その結果、好き嫌いの多い子どもは、少ない子どもに比べて、3.5歳と10歳時に、たんぱく質(-5%)、食物繊維(-7%)、肉類(-15%)、果物(-10%)、野菜(-23%)の摂取が少ないことが明らかになったという。
13歳時においても野菜(-23%)、果物(-14%)、肉(-8%)の摂取量に差が認められた。好き嫌いが継続した場合には、摂取量の差がより顕著であった。
ブリストル大学のキャロライン・テイラー医師は「好き嫌いは3歳頃には一般的な行動であり、学校が始まるときに改善することが多い。しかし、10代の好き嫌いについては、これまであまり知られていなかった」と述べている。
「我々の研究では、10歳と13歳の栄養摂取量も異なっていたことが分かったが、その違いは大きくはなく、健康や発達に影響を及ぼすものではなかった。好き嫌いのない子どもでさえ、食事の果物や野菜の摂取量が少なかった。このため、私は幼児期から食品選択を助けるために、親への支援が必要であると考えている。」
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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