2019.5.23
, EurekAlert より:
焼き菓子、家畜飼料、人工香料など様々なものに保存料として添加されるプロピオン酸は、肥満や糖尿病のリスクを高めるいくつかのホルモンの血中濃度を高めるかもしれない、という米国ハーバード大学からの研究報告。
本研究は、ランダム化プラセボ対照臨床試験の結果とマウスを用いた動物実験の結果を統合したものであり、プロピオン酸がインスリン抵抗性や高インスリン血症へつながる代謝事象の引き金になることを示唆するものであるという。
研究チームは、プロピオン酸の投与がグルカゴン、ノルエピネフリンと並んで新発見の脂肪酸結合たんぱく質4(FABP4)の分泌を増加させることを発見した。これがマウスで高血糖から糖尿病へつながるだけでなく有意に体重を増やした。
ヒトでの影響を調べるために、14名の健常人を対象に二重盲験ランダム化プラセボ対照臨床試験を実施してプロピオン酸摂取の影響をみたところ、マウスと同様のホルモン効果が観察された。
「過去50年の劇的な肥満と糖尿病の増加には環境因子や食事因子の寄与が示唆されているが、今回の結果はそのようなものの一つを示す有力な証拠であるだろう」と筆頭研究者でイスラエル・テルアビブ大学准教授でもあるアミール・チロシュ博士はコメントしている。
出典は『サイエンストランスレーショナル医療』。 (論文要旨)
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