2019.5.22
, EurekAlert より:
歩行速度が遅い人は、速い人よりも平均寿命が短かった、という英国の国立健康研究所(NIHR)、レスター大学、ラフバラ大学からの研究報告。
研究者らは、英国のバイオバンクに登録した47万4919名のデータを用いて平均寿命を推定した。調査期間は、2006年3月13日から2016年1月31日であった。
研究によると、低体重から肥満のすべての体格において、習慣的な歩行速度が速い人は、遅い人と比べて平均寿命が長かったことが明らかになった。
歩行速度の速い人は、全てのBMIにおいて、より長い平均寿命を示した。男性で85.2から86,8年、女性で86.7から87.8年の範囲であった。
逆に、歩行速度の遅い人は平均寿命が短く、最も短かったのは、低体重(BMI20未満)で歩行速度が遅い人でああった。男性で64.8年、女性で72.4年であった。腹囲でも同様のパターンがみられた。
レスター大学のトム・イェイテス教授は、「この調査結果は、体力が体重やBMIよりも、平均寿命を示すよりよい指標であることを示唆している。活発な歩行は、平均寿命を延ばすかもしれない」と述べている。
バイオバンクのデータを用いて、昨年発表された研究では、歩行速度が遅い人は、一般集団と比較して心臓に関連した疾患リスクが高いことが明らかとなっている。この先行研究では、体格や喫煙などのリスク要因を検討した後でも、歩行速度が遅い人は、速い人よりも心疾患に関する死亡リスクが2倍近く高かったことが示されている。
出典は『メイヨ・クリニック紀要』。 (論文要旨)
|