2019.5.21
, EurekAlert より:
摂食障害歴と妊娠前・妊娠中のボディイメージへの懸念(body image concerns)は、母親の将来のうつ症状に関連するようだ、というロンドン大学等からの報告。
これまでの縦断研究において、摂食障害である女性のうつ症状は、出産前と出産後早期に改善する可能性があると示唆されている。しかしながら、うつ症状について出産後8カ月以上をフォローアップした研究はなかった。そこで、今回、生涯にわたる摂食障害(自己申告による)を有する母親のうつ症状について、長期的な軌跡を調査したという。
研究では、両親と子供のエイボン縦断研究を使用し、@拒食症、A過食症、B拒食症と過食症の両方を伴っている女性について、妊娠18週から、出産後18年までのうつ症状の軌跡をモデル化した。感度分析として、妊娠中のボディイメージについての軌跡も調査した。
対象者、9276名の女性のうち、生涯にわたる神経性食欲不振症は126名(1.4%)、過食症153名、拒食症と過食症両方は60名(0.6%)であった。
結果は、18年のフォローアップ調査により、交絡因子で調整前後、生涯にわたり摂食障害を有する女性は、摂食障害のない女性と比し、うつ症状のスコアがより高かったという。さらに、ボディイメージの悪さ、妊娠中の食事に関する懸念、うつ症状の重大さの軌跡について、用量反応関連性も調査したところ、これら関連は、生涯型の摂食障害で調整後でもうつ症状の大きさと独立して関連したままであった。
「母親のうつ症状は、子供たちのネガティブなアウトカム(感情上の問題、行動上の問題)と関連性が示さている。摂食障害は、うつ症状の潜在的な原因の1つである可能性があるため、早期に摂食障害を特定し特定し、治療することは重要である」とソルミ博士は述べている。
出典は『英国精神医学雑誌』。 (論文要旨)
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