2019.5.14
, EurekAlert より:
低所得者は、心理的苦痛から対処的に行う感情的な食事から肥満につながっている可能性があるようだ、というリバプール大学等による報告。
社会経済的地位は肥満と強い関連性が認められているが、心理的メカニズムについては、明らかにされていなかったという。今回の研究では、社会経済的地位の低さと肥満との関連は、心理的苦痛とその後の感情的な食事によって説明することが可能かどうか検討したという。
対象者は、150名であった。質問票により心理的苦痛、感情的な食事、回復力を調査、社会経済的地位の指標として収入と教育レベルを使用、身長、体重からBMIを算出した。
結果は、心理的苦痛と感情的な食事により、社会経済的地位とBMIとの有意な間接的な影響が認められたという。具体的には、社会経済的地位が低さと苦痛の高さとの関連、苦痛の高さと感情的な食事の高さとの関連、感情的な食事の高さとBMI高値との関連が認められたという。しかしながら、回復力は、これらの関連の有意な要素ではなかった。
心理的苦痛とその後の感情的な食事は、社会経済的地位の低さと肥満との関連を示す一連の経路を表している可能性がある。これら不適応的な対処行動に焦点を当てることは、低所得者の肥満減少の戦略の1つになる可能性があるとのことである。
出典は『肥満学』。 (論文要旨)
|