2019.5.13
, EurekAlert より:
母親の妊娠前のBMIは、妊娠中の体重増加量よりも母体、乳児の有害リスクと関連するようだ、というエラスムス医療センター等からの報告。
妊娠中の体重増加は多くても少なくても両方とも、母親と子供の有害転帰に関連すると報告されているが、妊娠中の適切な体重増加については決定されておらず、妊娠前の体重範囲毎に定義されていなかったという。
そこで妊娠中の体重増加の範囲と母親と子供の有害転帰リスクとの関連を調査し、妊娠前のBMIカテゴリーによる妊娠中の体重増加の範囲を推定することを目的としたという。
研究では、妊娠前の体重と妊娠中の体重増加と、有害転帰との関連を検討した。有害転帰の定義としては、子癇前症、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開、早産、低体重児、巨大児のうち1つ以上を有するとした。
メタアナリシスには196,670名の女性が対象として含まれ、妊娠前の体格分類では、痩せ傾向は7,809名 (4.0%)、普通傾向は133,788名 (68.0%)、過体重は38,828 名(19.7%)、肥満グレード1は11,992 名(6.1%)、肥満グレード2は3,284 名(1.7%)、肥満グレード3は969 名(0.5%)に分類された。
結果は、全体では、有害なアウトカムは、女性の約37%に発生し、痩せ傾向の女性では約34%、肥満グレード3の女性で約61%までの範囲で認められたという。
妊娠中の体重増加の範囲は、痩せ傾向の女性で14.0 kgから16.0 kg未満、普通体重の女性で10.0 kgから18.0 kg未満、過体重の女性で2.0 kgから16.0 kg未満、 肥満グレード1の女性で2.0 kgから6.0 kg未満、肥満グレード2の女性で0 kgから4.0 kg未満の体重減少または体重増加、肥満グレード3の女性で0 kgから6.0 kg未満であり、これらの妊娠中の体重増加の範囲は、有害事象の低〜中程度の有無に関連した。
結論として、25件のコホート研究のメタアナリシスの結果は、母体と乳児への有害アウトカムのリスクは、妊娠前の体重の範囲と妊娠中の体重増加によって異なるという。妊娠中の適切な体重増加に関する妊婦向けのカウンセリングに役立つ可能性があるとのことである。
出典は『米国医学会誌(JAMA)』。 (論文要旨)
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