2019.5.10
, EurekAlert より:
肥満は、世界中の農村部で、都市部よりも速やかに増加しているようだ、BMIの世界動向を追跡した国際共同研究。日本からは、当研究所の池田奈由が参加している。
英国インペリアルコレッジロンドンが主導する本研究は『ネイチャー』オンライン版に5月8日付けで発表されたもので、1985年から2017年にかけての、世界200の国と地域の都市部と農村部から1億1,200万人以上の成人の身長と体重のデータを解析したものである。
世界各国から千人以上の研究者が参加した本研究は、1985年から2017年にかけて、世界的に平均BMIが女性で2.0kg/m2、男性で2.2kg/m2上昇したことを発見した。これは一人当たり5-6kgの体重増加に相当するという。この33年におよぶ世界的なBMIの上昇の原因の半分以上が農村部での上昇によるもので、特に低中経済国では、上昇の80%が農村部によるものである国もあるという。
研究チームは、1985年以降、農村部の平均BMIが男女共に2.1kg/m2上昇したけれども、都市部では、女性で1.3kg/m2、男性1.6kg/m2に過ぎないことを発見した。
この傾向が30年以上にわたって継続しており、1985年には、3分の2以上の国で都市部の男女が農村部の男女よりも高いBMIを示していたが、時間経過とともに、この都市部と農村部のギャップは多くの国で縮まり、逆転した国もみられたという。
出典は『ネイチャー』。 (論文要旨)
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