2019.5.10
, EurekAlert より:
妊娠初期のナッツの豊富な食事は、子供の精神発達の改善と関連するようだ、というバルセロナグローバルヘルス研究所等からの報告。
ナッツは、高血圧、酸化ストレス、糖尿病のリスク減に役立つとされ、これまで、高齢者の認知機能に保護的効果を有する可能性が示唆されている。今回の研究により、ナッツに関する新しいエビデンスが加えられるという。
今回の研究の対象者は、スペインのアストゥリアス、ギプスコア、サバデル、バレンシアで行われたINMAプロジェクトに属するコホートに登録されている母子のペア約2,200名である。母親のナッツ摂取については、妊娠初期と妊娠後期、食生活に関するアンケートにより評価、子供の神経心理学的発達状況については、生後18か月、5年、8年後、国際的に妥当性が示された標準試験を用いて評価され、関連性が検討された。
結果は、妊娠初期、ナッツ高摂取の母親から生まれた子供は、認知機能、注意力、作業記憶に関し良好な結果が認められたという。一方、妊娠後期のナッツ摂取も分析したところ、神経心理学的アウトカムとの関連性は認められなかったか、弱い関連性が認められた程度だった。
「今回ナッツに含まれたのは、クルミ、アーモンド、ピーナッツ、松の実、ヘーゼルナッツである。この観察された有益な効果は、ナッツに高濃度の葉酸と、特にオメガ-3系およびオメガ-6系脂肪酸が含まれるからだと思われる。これらの成分は神経組織に蓄積し、記憶や遂行機能を高めるだろう」と筆頭研究者のフローレンス・ギニャックは語っている。
出典は『欧州疫学雑誌』。 (論文要旨)
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