2019.5.9
, EurekAlert より:
過食は血糖値制御と血中インスリン濃度に不具合をもたらすことが報告されているが、過食の回数や長さに影響されるようだ。豪州ディーキン大学からの研究報告。
過去30年、肥満と2型糖尿病が世界中で顕著に増加している。高カロリー食品の食べ過ぎのような生活習慣因子がこの深刻な健康状態の発症に大きく関与している。過食が血糖値とインスリン分泌に及ぼす影響を解明することは、代謝性疾患の理解に役立つと思われる。
研究チームは、少数の健康で痩せの男性(平均年齢22歳)を対象に検討を行った。対象者は、5日間と28日間の過食プログラムを実施した。5日はホリデイシーズンなどの短期間の過食に、28日は慢性的な過食に相当した。食事の栄養組成は、炭水化物55%、脂質35%、たんぱく質15%とした。過剰なカロリーはチョコレート、食事代替飲料、ポテトチップなどで、1,000kcalを付加した。
内臓脂肪は増加したものの、5日間の過食は、体重と脂肪量に有意な影響を及ぼさなかった。さらに、食後血糖値、C-ペプチドは変化しなかった。
28日間の過食は、体脂肪量、内臓脂肪量を増やしただけでなく、食後血糖値とC-ペプチドも上昇した。空腹時血糖値は変化しなかった。脂質エネルギー比率が35%と抑えられていたためではないか、と研究チームはみているようだ。
今回の知見が示唆しているのは、炭水化物の過剰摂取への初期の適応は、全身のインスリン感受性を維持するためのグルコース廃棄の増加の結果である、と研究チームは結論付けた。
出典は『米国生理学・内分泌学および代謝作用雑誌』。 (論文要旨)
|