2019.4.26
, EurekAlert より:
食事由来の抗酸化物質であるビタミンやカロテノイドは加齢性白内障リスクの低下と関連があったという、中国・西安交通大学と豪州・南豪州大学からの研究報告。
研究では、世界中の20件の介入研究とコホート研究から食事中のビタミンやカロテノイドと白内障との関連を検討した。
見解の不一致はあるものの、これまでの研究では、柑橘系果物、唐辛子、ニンジン、トマト、またほうれん草やブロッコリー、ケール等の色の濃い野菜の摂取が、白内障の発症を予防することが報告されてきた。
今回、レビューの結果、観察研究では、食事由来のビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、ルテイン、ゼアキサンチンは、白内障リスク低下と有意な関連を認めたが、介入研究では、ビタミンE、βカロテンと白内障のリスク低下とは関連が認められなかったという。
「世界中の高齢者の間で、視力障害の主な原因の一つに、加齢性白内障がある。白内障摘出手術は、視野の回復に有効な手法であるが、2020年までにその医療費は57億ドル以上に昇ると予測される」と共著者であるミン・リー医師は述べている。
著者らは、私たちが加齢性白内障の発症を10年遅らせることができれば、手術を必要とする人は約半数に減るだろうと述べている。
とはいえ、近年のビタミン類などの抗酸化物質の摂取量は、加齢性白内障予防の推奨値を大きく下回っているという。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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