2019.4.25
, EurekAlert より:
英国で子供向けに販売される多くの食品の製品パッケージに書かれた健康強調表示は「紛らわしい」ものであり、小児肥満の増加に寄与しているようだ、という英国グラスゴー大学からの研究報告。
従来の子供向け食品では、マンガキャラクターや、おまけのカードなどが良く用いられてきたが、最近は健康や栄養の強調表示が用いられるようにもなってきた。強調表示は「健康ハロー効果」のようなポジティブな印象をもたらすというエビデンスもある。
これまで、高脂肪、高糖分の子供向けの食品は不健康だということで広告規制が進められてきたが、それ以外の健康に良いと主張する健康強調表示のある食品については殆ど注意が向けられてこなかった。
研究チームは、英国で1歳以上の子供を対象にした食品を対象に、健康・栄養強調表示の分析を行った。332種類の製品が集められたが、そこには朝食用シリアル、フルーツスナック、果汁ベース飲料、乳製品、調理済み食品などが含まれていた。これらをいわゆる「健康的な」食品を特定するための放送規制ツールを用いて評価した。
その結果、一般的に「健康」と認識されているもの(41%)を含む製品の大部分が、ツール採点システムによって「あまり健康的でない(Less healthy)」に分類されたという。
「子供向けのパッケージ食品は、バランスのとれた健康的な食事の一部として摂取することができるが、それらの健康・栄養強調表示は依然として疑問が残る。現在の小児肥満率の上昇を考えると、より健康的でない食品は子供の健康に長期にわたってネガティブな影響を及ぼしていることが考えられる」と研究者らは述べている。
出典は『小児期疾患アーカイヴス』。 (論文要旨)
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