2019.4.12
, EurekAlert より:
食品からの特定の栄養素の適切な摂取は、全死因死亡リスク低下と関連するようだ、というタフツ大学等からの報告。サプリメント使用と死亡リスク低下との関連は認められなかったという。さらに、カルシウムサプリメントの過剰摂取は、がんの死亡リスク上昇と関連も認められた。
研究では、1999年から2010年までのNHANES(国民健康栄養調査)データを使用し、米国成人において、栄養補助食品の利用、食品やサプリメントからの栄養素等摂取量と死亡率との関連を評価したという。対象者は、栄養補助食品の使用に関する質問に答えた20歳以上の米国成人30,899人である。過去30日間の栄養補助食品の使用、食品と栄養補助食品からの栄養素等摂取量を測定した。アウトカムは、全死因、心血管疾患による死亡、がんによる死亡が含まれていた。
栄養素等摂取量と死亡リスクとの関連についての結果は、下記の通りである。 ●ビタミンKとマグネシウムの適切な摂取は、死亡リスク低下と関連していた。 ●ビタミンA、ビタミンK、亜鉛の適切な摂取は、CVDの死亡リスク低下と関連していた。 ●カルシウムの過剰摂取は、がんの死亡リスク上昇と関連していた。
食品とサプリメントの栄養素の摂取源で評価した場合、下記の結果が認められた。 ●ビタミンK、マグネシウムの適切な栄養素摂取と死亡リスク低下と関連は、サプリメントからではなく、食品からの栄養素等摂取量に制限されていた。 ●ビタミンA、ビタミンK、亜鉛の適切な摂取とCVDの死亡リスクの低下との関連は、サプリメントからではなく、食品からの栄養素等摂取量に限定されていた。 ●サプリメントからの合計1000mg/日以上のカルシウム摂取は、がんの死亡リスク上昇と関連していたが、食品からのカルシウム摂取とは関連が認められなかった。
「我々の結果は、サプリメントの使用は、総栄養素等摂取量の増加に寄与するが、サプリメントではない食品からの栄養素等摂取量に有効性がみられるというアイデアを支持している」と、チャン氏は述べている。
出典は『内科学年報』。 (論文要旨)
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