2019.3.27
, EurekAlert より:
高脂肪食は、望ましくない種類の腸内細菌を増やし、短鎖脂肪酸を生産する身体に有益な腸内細菌を減らすようだ、という中国・浙江大学からの研究報告。
研究チームは、18-35歳で健康な普通体重の人217名を3群に分け、異なる炭水化物と脂質の比率をもつ食事を6か月にわたって実行してもらった。その内訳は、(1)低脂肪:脂肪エネルギー比率20%、(2)中脂肪:30%、(3)高脂肪:40%であった。
実験開始時と終了時に血液と糞便検体を採取し、腸内細菌叢と炎症性マーカーを測定した。
3群とも6か月の介入で体重が減った。低脂肪群が最も減少幅が大きかった。だが、長期の健康影響に及ぼすもっとも顕著な変化を示したのは高脂肪群だった。3群とも腸内細菌の全体量は変化しなかったが、酪酸などの有益な短鎖脂肪酸生産菌は、低脂肪群で増加したのに対して、高脂肪群では低下し、代わりに2型糖尿病などでよく見られる有益ではない種類の細菌が増加していたという。
さらに高脂肪群では長鎖脂肪酸代謝の重大かつ潜在的に有害な変化との関連がみられ、炎症を惹起する化学物質の増加がみられたという。低脂肪群では逆の効果がみられた。
「低脂肪食に比べて、高脂肪食の長期摂取は望ましくないようにみえる。特に伝統的な低脂肪高炭水化物食から移行した中国の若年成人にとって問題だ」と研究チームは結論している。
出典は『消化管』。 (論文要旨)
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