2019.3.19
, EurekAlert より:
ヒトは様々な理由で恋に落ちる。共通の趣味、肉体的魅力、同じ価値観を共有しているなど。だが、結婚して一緒に暮らしていくとき、長期的な幸福は、お互いの遺伝子に依存しているかもしれない、という米国イェール大学からの研究報告。遺伝子変異が、社会的結合に重要な役割を果たすホルモンであるオキシトシンに影響するようだ。
ジョアン・モニン准教授率いる研究チームは、178組のカップル(37-90歳)を対象に検討した。参加者は、結婚の安心と満足についてどう感じているかを調査されると共に、唾液から遺伝子型を検査された。
その結果、カップルの少なくとも一方がオキシトシン受容体遺伝子のGG遺伝子型を持っている場合、彼らの結婚満足度と安心感が有意に高まることを発見したという。
先行研究で、OXTR rs53576というオキシトシン受容体の変異が、感情の安定、共感、社交性のような性格にリンクしていることが示唆されていたが、今回の研究は、結婚満足度におけるその役割を検証した初めてのものであるという。
研究チームはまた、GG遺伝子型の人々は、彼らの結婚における不安型アタッチメントが少ないと報告することを発見したという。これもまた彼らの関係性に有益に働く。不安型アタッチメントは、家族やパートナーとの過去の経験から発達してくる関係不安のスタイルのひとつである。それは自尊心の消失、高い拒絶感受性、承認探索行動に結びつき易い、とモニン准教授は述べている。
GG遺伝子型は、本人とパートナーを合せて結婚満足度の4%に寄与していると研究チームは述べている。この数字は小さいが、他の遺伝的および環境的因子のなかで占める影響力は小さくないという。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
|