2019.3.15
, EurekAlert より:
フィラデルフィアのいくつかの公立学校において、2年半におよぶ教室での朝食提供は、生徒らの中の過体重と肥満者合計した発生率に影響を及ぼさなかったという。けれども、教室での朝食の提供は、肥満の生徒の発生率を有意に増加させた。理由は不明であるという。米国テンプル大学の研究。
研究チームは、フィラデルフィアの16の公立学校で低収入都市部コミュニティに属する1,362人を対象に、4年次に開始して6年次まで2.5年間に渡って、朝食を提供するランダム化臨床試験を実施した。半分の学校では教室で朝食を1限目に提供し、朝食に特化した栄養教育を実施した。残りの半分の学校では、学校が始まる前の学校食堂での朝食提供を継続し、標準的な栄養教育を行った。
対象者は、907名が黒人、233名がヒスパニック、100名が白人、83人がアジア系、39人がその他の民族であった。2.5年間で朝食プログラムへの参加率は1日当たり平均53.8%であり、対照群の24.9%を大きく上回った。
過体重と肥満を合計した発生率は、介入群と対照群で有意差が見られなかった(11.7%対9.3%)。けれども、肥満者のみの発生率は、介入群と対照群で11.6%対4.4%であり、有病率は28.0%対21.2%と大きな違いがみられたという。
研究チームは、都市部貧困層の生徒に、教室での朝食提供は好ましい変化をもたらさないようだ、と結論づけた。
教室で朝食を提供することが、他の集団の生徒たちの肥満にも同様の影響を及ぼすかどうか、あるいは別の学校朝食プログラムを構築する必要があるのかを理解するための更なる研究が必要であるという。
出典は『JAMA小児科学』。 (論文要旨)
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