2019.3.5
, EurekAlert より:
搾乳した母乳の間接的な授乳は、直接授乳に比べて、口腔細菌の枯渇と、潜在的な病原細菌の増加をもたらすようだ、というカナダ・マニトバ小児病院研究所などからの研究報告。
研究チームは、出産後3-4か月の健康な授乳婦393名を対象に、母乳中の細菌の遺伝子解析を実施した。そして、母乳細菌組成は、種々の因子によって左右されることを明らかにした。
まず、母乳細菌の組成は極めて多様であり、様々な因子の中で、一貫した変化を示したのは、直接授乳と搾乳による間接授乳の違いを比較した場合だけであったという。特に、搾乳の場合、潜在的な病原菌が増加することが一貫して観察され、直接授乳の場合には、口腔細菌が極めて豊富に存在することが観察された。
これは、直接授乳では乳児由来の細菌が、間接授乳では環境由来の細菌が増加することを意味している。
「母乳中の細菌は母親の腸内細菌が主であるという仮説が一般にいわれているが、我々の結果はそれとは異なり、乳児の口腔細菌が重要であることを示唆するものである」と主任研究者のメガン・アザド博士はコメントしている。
出典は『細胞:宿主と病原菌』。 (論文要旨)
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