2019.3.1
, EurekAlert より:
高脂肪・高糖類の西洋型食事は、体重を増やすだけでなく、重症の敗血症リスクを高める可能性もある、という米国ポートランド州立大学からの研究報告。
研究チームは、動物実験によって、西洋型の食事が敗血症の重症度と転帰にとのような影響を持つかを詳しく調べた。敗血症は感染症に対する身体の反応であり、ショックや多臓器不全につながる可能性がある。国際的な死亡原因の11位にあがっている。
食物繊維が少なく、脂肪と糖類が多い、西洋型の食事を与えられたマウスは、通常食のマウスに比べて、慢性炎症が増加し、敗血症の重症度が高まり、さらに高い死亡率を示したという。これはマウスの体重増加や、腸内細菌叢および細菌と宿主の通信の問題ではなく、食事に含まれる何かが敗血症の重症化と死亡の理由であるという。
「マウスの免疫系は、西洋型の食事に対して異なる作用を示す」と主任研究者のブルック・ネピア助教授は語っている。「まるで食事が免疫細胞の機能を操作して敗血症への感受性を高め、敗血症が起きた時には死亡率を高めているようなのだ。」
ネピア助教授は、この知見が病院で集中治療室の患者の食事を見直すきっかけになればよい、と語っている。
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)
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