2019.2.18
, EurekAlert より:
バリンの異性体であるノルバリンのサプリメントは、潜在的な有害性があるかもしれない、という豪州シドニー工科大学からの研究報告。
L-ノルバリンは、ボディビルサプリに広く用いられている成分であり、運動効果を高め、回復を早めると謳われている。類似化合物は、神経変性疾患との関連がしてきされており、ヒト細胞を用いた報告もあることから、L-ノルバリンには、ヒト脳細胞への障害性が示唆される、と研究チームは述べている。
アミノ酸にはたんぱく質合成に使われる20種類以外にも多くの種類が存在しているが、中にはたんぱく質アミノ酸との類似性によって毒性を示すものがある。
L-ノルバリンも、たんぱく質の合成には含まれないアミノ酸だが、サプリメントとして容易に入手可能である。先行研究において、ノルバリンには抗菌活性や除草剤としての有効性が報告されていることから、研究チームは、哺乳動物細胞へのインビトロにおける毒性を検証した。
その結果、L-ノルバリンは、125μMで細胞の生存性を低下させる作用があり、壊死性の細胞死、ミトコンドリアの形態変化、機能変化を惹起することが明らかになった。
L-ノルバリンの毒性は類似の構造をもつたんぱく質アミノ酸の存在で低下することから、たんぱく質アミノ酸との類似性が細胞毒性に関連していることが示唆された。
出典は『インビトロ毒性学』。 (論文要旨)
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