2019.2.14
, EurekAlert より:
魚油は、肥満の思春期及び若年成人の喘息管理を改善しないようだ、という米国デューク大学からの研究報告。
研究チームは、98名の過体重/肥満で12-25才の、喘息と診断され、かつ毎日吸入コルチコステロイド治療を受けているが管理が良好でない患者を対象として検討を行った。半数はアフリカ系米国人だった。ランダムに77名を魚油群(n3PUFA)、21名を対照群(ダイズ油)として、24週間にわたって1日4gを摂取してもらった。
アウトカムは、標準的な喘息管理質問票(ACQ)、呼吸検査、救急救命科受診、喘息増悪などとしたが、魚油の摂取は、いずれの指標にも有意な変化を及ぼさなかったという。
研究チームはまた、遺伝子ALOX5の突然変異が影響を及ぼすかどうかを検討した。これは抗ロイコトリエン薬への反応を低下させる突然変異として知られているものだ。ロイコトリエンは炎症分子として喘息発作に重要な役割を演じている。
本研究において、ALOX5突然変異は、ロイコトリエン生産に影響していることが明らかになったが、魚油の有効性に対しては影響がみられなかったという。
今回は魚油の使用に否定的な結果となったが、研究チームは、より高用量かつ長期わたる魚油の使用は異なる結果をもたらす可能性がある、とコメントしている。
出典は『米国呼吸器と救命医療雑誌』。 (論文要旨)
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