2019.2.7
, EurekAlert より:
なにが流行を突き動かすのか。1956年から2015年に発表された800万枚の音楽アルバムの定量的ネットワーク分析が、この昔からある議論にひとつの回答をもたらした。墺ウィーン複雑性科学ハブからの報告。
研究チームは、音楽シーンにおける流行のサイクルは、アウトサイダー(部外者)グループによって突き動かされていることを発見したという。
これらのアウトサイダーは、主流の音楽スタイルに、異色の楽器や新しいリズムといった、強い対照性をぶつけることによって変化をもたらすのである。
「彼らはカウンターシグナリング(正反対の信号)を用いる」と研究者のひとりであるシュテファン・ターナーは語っている。「極めて無遠慮に。新しいスタイルを使って、音楽プロデューサーは古い音楽のほっぺたに平手打ちを食わせるのだ。」
研究チームは、オーディオリリースに関するクラウドソース化されたDiscogsデータベースを利用した。 2016年1月現在で7,911,789アルバムが登録されており、それらは15のジャンルの422の音楽スタイルに分類された。
「我々は、厳密にデータ駆動型の定量的方法を用いて、音楽の新しい流行が現在のトレンドに対する強い反対による衝撃からできていることを証明した」とターナーは説明する。「これは他の分野、建築、美術、ファッション、さらには政治や科学にも応用することができるだろう。音楽のスタイルに関しては、カウンターシグナリング仮説がベストの説明だった。」
本研究は、人間社会の複雑なダイナミクスに含まれる多くの階層をより良く理解するために、ビッグデータを分析することが有用であることを示すものである、とターナーはまとめている。
出典は『英国王立協会インターフェイス雑誌』。 (論文要旨)
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