2019.2.4
, EurekAlert より:
中国・華中科技大学の研究チームは、不健康な生活習慣とシフト勤務を合算した2型糖尿病のリスクが、個別のリスクよりも実質的に高いことを発見した、と『英国医学雑誌(BMJ)』に発表した。
研究チームは、2つの長期大規模疫学研究である、米国の女性看護師を対象にした看護師健康研究と看護師健康研究IIのデータを解析した。
2型糖尿病、心血管疾患、がんのない143,410人の女性を1976年および1989年に集め、医療記録、生活習慣を定期的に継続調査した。
看護師は定期的に夜間勤務をすることが多いが、本研究では、通常の昼間勤務と夕方勤務に加えて、月に3晩以上の夜間勤務をする者をシフト勤務者とした。
不健康な生活習慣は、次の4つの因子で定義した。すなわち肥満(BMI25以上)、喫煙、中高強度の運動が1日30分未満、貧しい食生活(果物、野菜、ナッツ、全粒穀物が少なく、加工肉、トランス脂肪、糖分、塩分が多い)である。
22-24年の追跡調査期間中に、10,915人が2型糖尿病と診断された。
データ解析の結果、5年間のシフト勤務で、2型糖尿病の発症リスクが1.31倍高まることが明らかになったという。
不健康な生活習慣によって、2型糖尿病の発症リスクは2.3倍高まることが明らかになった。
4つの不健康な生活習慣のどれかひとつを持ち、シフト勤務をする女性は、2型糖尿病の発症リスクが2.83倍高まることが明らかになった。
このリスクは、シフト勤務のリスクと不健康な生活習慣のリスクを単純に足したよりも高いことから、両者の間にはなんらかの相互作用があることが示唆された。
研究チームは、リスクのうち、17%はシフト勤務によって説明できるとしている。71%は不健康な生活習慣で説明できる。残りの11%が両者の相互作用に関連して付加されたリスクであるという。
「2型糖尿病の多くのケースは健康的な生活習慣の遵守によって予防することができるだろう。特にシフト労働者でその恩恵が大きいであろう」と研究チームはまとめている。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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