2019.1.31
, EurekAlert より:
減量のペースの速い・遅いは心血管疾患や糖尿病リスクには関係がなさそうだという。英ヨーク大学による最新の研究により初めて示された。ただし、速すぎる減量には胆石リスクの軽微な上昇がみられるため、週あたり1-2ポンド(約450-900g)減のペースを守るのがよさそうだとのこと。また健康上の恩恵の大小は「どれだけ体重を減らせたか」にかかっている。
ヨーク大学のクック准教授らの研究チームは、臨床体重管理プログラムに参加した11,000人あまりのデータを精査した。すると、減量ペースの速い・遅いに関わらず、代謝上の健康状態において同様の改善効果がみられたという。また、減量の「割合」よりも「量」のほうが全般的な健康上の利点と関係が深いことがわかった。
通常、減量のペースは週あたり1-2ポンド(約450-900g)減とすることが推奨されている。速すぎる減量は胆石リスクをわずかながら上げてしまうためだ。とはいえ、速く減量するほど心血管疾患や糖尿病の危険因子に効果があるのではとの考えもある。
本研究は、心血管の健康と糖尿病の危険因子を具体的に検討した初めての研究だ。
クック准教授は「同じ重さだけ減量するならば、減量のペースが速くても遅くても、健康上の利点に違いはありません。しかし、速すぎる減量に伴う胆石のリスクを考えると、週あたり1-2ポンドの減量にチャレンジするほうが安全でしょう」と話している。
なお、今回の研究では、減量ペースの速かった人はゆっくりだった人に比べて肥満の解消度がより大きく、健康状態もより改善する傾向のあったことが明らかになった。しかし、これらの傾向は減った体重の「量」を考慮すると相殺されたという。
出典は『肥満学雑誌』。 (論文要旨)
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