2019.1.31
, EurekAlert より:
個室(単一家族部屋)での早産児ケアが敗血症予防や完全母乳哺育の改善に役立つようだけれども、長期の神経発達にはほとんど影響がないようだ、というオランダOLVGのメタ分析。
研究チームは、2004年から2018年にかけて実施された、個室における早産児のケアを、オープンベイユニットにおけるそれを比較した疫学研究を系統的に検索した結果、4,793名の早産児を含む13件の集団研究(同じ期間に同じ病院に入院した新生児を比較)を報告した25件の論文を見つけた。神経発達についてのデータは3つの集団(680名)で報告されていた。
平均在胎週数28週未満(平均出生体重1,000g未満)の超早産児のみを含む3集団のデータを解析した結果、修正年齢18-24か月齢における神経発達は個室とオープンベイユニットで有意差がみられなかったという。
けれども、個室は、オープンベイユニットに比べて、敗血症の発症リスクを37%低下させた。これは有意であった。
5集団9論文では母乳哺育について検討されていたが、個室はオープンベイユニットに比べて、退院後に完全母乳哺育をする確率が31%高かった。
入院日数(出産から退院まで)、成長率、気管支肺異形成症、網膜症、脳室内出血、死亡率には差が見られなかった。
「我々の研究はすべてパブリックドメインで利用可能なデータに基づいているが、神経発達に及ぼす個室の有効性についてのクリアなエビデンスは見つからなかった。けれども、全ての研究において、アウトカムは2年までの評価しかなく、2歳のときに正常な神経発達であった子供でも学校では認知的な障害を経験することがある。それより後年の精神的な障害を早期に発見できる確率は低い。より長期にわたる追跡調査をした研究が必要であろう」と研究者はコメントしている。
著者らは、本研究には1件のランダム化臨床試験しか含まれないため、いくつかの限界が存在することを指摘している。
出典は『ランセット小児思春期健康』。 (論文要旨)
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