2019.1.28
, EurekAlert より:
米国人(★)がオメガ-3指数を心臓保護効果のある8%以上に引き上げるためにはより多くの魚介類を食べ、オメガ-3サプリメントを摂取する必要がある、というオメガ-3系脂肪酸の専門検査会社である米国オメガクァント社等による研究報告。
クリスチナ・ハリス・ジャクソン博士ら研究チームによれば、本研究のゴールは次の質問に答えることだったという。「(揚げてない)魚の摂取とオメガ-3サプリメントの摂取の組み合わせは心臓保護的オメガ-3指数レベル(つまり8%以上)と関連しているか。」
2018年、米国心臓協会は、業界類の摂取に関する2002年の勧告を、「週少なくとも2回はバラエティに富む(できれば脂の多い)魚を」から「週1-2回のシーフード食を」にアップデートした。
「もっと頻繁に魚を食べればより心臓保護効果が高まるだろうというエビデンスにもかかわらず、これは明らかに勧告の引き下げである」とジャクソン博士らは指摘している。
今回の研究で、ジャクソン博士ら研究チームは、ほぼ3,500名の血中オメガ-3系脂肪酸EPAとDHAレベルを測定すると共に、魚とサプリメントの摂取について質問した。
魚もオメガ-3サプリメントも摂取しない者の平均オメガ-3指数は約4.1%で、大部分の米国人の平均レベルであった。
他方、オメガ-3サプリメントを摂取しており、かつ、週3回以上魚を摂取する者のオメガ-3指数は8.1%で、「心臓保護的」であろうと考えられた。
これらのことから、自由生活下においては、ジャクソン博士らは、オメガ-3指数が8%以上であることは、少なくとも週3回以上の(揚げものでない)魚を食べ、オメガ-3サプリメントを摂取していると考えられると結論づけた。
2018年に、10件のコホート研究をプールするプロジェクトからのデータで、オメガ-3指数が8%以上の者は、心血管系疾患による死亡リスクが、4%未満の者に比べて35%低いことが確認されている。追加の研究によって、より血中オメガ-3レベルの高いことは、認知機能と全体的な寿命に関連して有益であることが示されている。
「米国心臓協会は、一般集団に対し、現在週1-2回の魚食を推奨し、サプリメントは推奨していない。我々の知見に照らせば、これではオメガ-3指数を8%にすることはできそうにない」とジャクソン博士は解説している。
★日本人のオメガ-3指数は、平均で8%を超えている(*)と報告されており、米国とはかなり状況が違うので、注意が必要だ。 * https://www.atherosclerosis-journal.com/article/S0021-9150(18)30026-1/pdf
出典は『プロスタグランジン、ロイコトリエン、必須脂肪酸』。 (論文要旨)
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