2019.1.21
, EurekAlert より:
科学における議論の多い問題についてある仮説を強力に提唱してきた研究者が、突然、反対派に転換したことを公表したら何が起きるだろうか? そのメッセージは目撃者の視点に影響するのだろうか、とすればどのように?
先行研究では、そのような「転換メッセージ」は、効果的な説得技術であろうと示唆されていたけれども、実際の効果については不明であった。
米国アネンバーグ公共政策センターによる本研究は、そのような転換メッセージが遺伝子組み換え(GM)食品に対する公衆の態度に影響を及ぼすことを示している。
研究チームは、650人を超える米国人を対象に、次の3つのビデオのひとつを視聴させた。1)英国の環境問題研究家マーク・ライナスが、GM作物の利点を説明する、2)ライナスがGM作物についての考えを以前とは変えたことを表明する、3)ライナスが、彼の反GM運動が反科学的環境主義の一形態であるという認識を含め、なぜ彼の信念が変換したかを説明する。
その結果、単純に推進メッセージを伝えるよりもライナスが意見を転換したという2)と3)の声明の方が参加者に大きなインパクトを及ぼしたことがわかったという。2)と3)の間には差はみられなかったという。
「転換メッセージに曝露した人々は、単純なGM推進メッセージよりもGM食品に対する態度が好ましいものに変化した」と筆頭研究者のベンジャミン・ライオンズ博士は語っている。「転換メッセージの二面性、古い信条が存在していてそれを覆すという、それが直接的にGM作物を好ましいとする意見よりもより効果的に作用するようだ。」
出典は『科学の公共理解』。 (論文要旨)
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