2019.1.18
, EurekAlert より:
卵の血中代謝産物が2型糖尿病のリスクの低下に関連しているかもしれない、という東部フィンランド大学からの研究報告。
卵は最も議論の多い食品のひとつである。卵の食べ過ぎは卵の高いコレステロール含量のために推奨されない。けれども卵には様様な健康に良い活性成分が含まれてもいる。
研究チームは、以前フィンランドで実施されたクオピオ虚血性心疾患リスク因子研究において中年男性の参加者において1日約1個の卵の摂取と2型糖尿病の発症リスクの低下に関連がみられることを報告していた。
「今回の研究の目的は、非標的メタボロミクス(試料中の広範な化学物質プロフィールを得られる技術)を用いて、両者の関係を説明することのできる潜在的な化合物を探索することだった」と筆頭研究者のステファニア・ノエルマンは語っている。
探索の結果、卵の摂取量が増えると用量依存的に増加するある種の脂質化合物と2型糖尿病のリスクの低下に関連がみられることがわかった。加えて研究チームは、2型糖尿病の発症リスクが高まることと関連するいくつかの血中化合物(チロシンを含む)を同定した。
本研究が示唆しているのは、以前観察されていた2型糖尿病の発症リスク低下と卵の摂取の間に見られる逆相関を部分的に説明できる、あり得るメカニズムである。
「なんらかの結論を引き出すには早過ぎる段階であるとはいえ、卵に関連する化合物が2型糖尿病の発症に役割を果たすかもしれないというヒントにはなる。卵摂取の生理学的な効果をさらに細胞モデルやヒト介入研究を行うことが必要である」とノエルマンはまとめている。
出典は『分子栄養と食物研究』。 (論文要旨)
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