2019.1.11
, EurekAlert より:
肉類を食べない植物ベースの食事が、アスリートの心臓の健康、持久力、回復に有益であるようだ、という米国ワシントンDCにあるバーナード医療センターからのレビュー報告。
「アスリートが菜食主義の食事に移行するのは不思議なことではない」と共同研究者のジェームズ・ルーミス医師は語っている。「Couch-to-5Kでも鉄人トライアスロンでもトレーニングをするときに、植物ベースの食事はパフォーマンスを高め回復を早める強力なツールであるからだ。」
植物ベースの食事は、心血管系健康の鍵であり、それは持続性運動の選手に特に重要であるが、レビューでは、十分に訓練されたアスリートでも心疾患のリスクが高い傾向にあることを発見したという。2017年の研究では、中高年の持続性サイクリストまたはランナーの44%が冠動脈プラークを持つことが報告されているが、低脂肪の菜食主義食は、プラークを軽減する最も効果的な食事パターンのひとつであることが知られている。植物ベースの食事は、脂質異常症や高血圧、肥満、糖尿病などの他の動脈硬化のリスク因子にも有益である。
植物ベースの食事は炭水化物が多いのが普通なため、パフォーマンスの向上にも有利であるという。炭水化物は有酸素的運動時の主要なエネルギー源であり、高炭水化物食の摂取は持久力を高める。ただ、2016年の鉄人トライアスロン選手を対象にした研究では、1日1-3時間運動する選手のための炭水化物推奨摂取量を満たしていた選手は半数に満たなかったという。
研究チームはまた、植物ベースの食事が、血流を増やして組織への酸素供給を増やし、酸化ストレスや炎症を減らすことで、アスリートのパフォーマンスと回復力を押し上げることを発見したという。
果物、野菜、穀物、豆類などを含む種類豊かな食事に、ビタミンB12サプリメントを補うことで、持久性競技選手に必要なたんぱく質、カルシウム、鉄分などの栄養素はすべて摂れるという。
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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