2019.1.7
, EurekAlert より:
非糖甘味料に重要な健康上の利点が存在することを示す説得力のある証拠はなく、潜在的な危険性を除外することはできない、という独フライブルク大学からの研究報告。
研究チームは、非糖甘味料の潜在的有効性と危険性についての理解を深めるために、56件の先行研究を再解析した。
アウトカムとして、体重、血糖コントロール、口腔衛生、がん、心血管系疾患、腎疾患、気分、行動などが測定されていた。
全体として、非糖甘味料の摂取者と非摂取者、あるいは異なる濃度の非糖甘味料摂取者の間で、統計的および臨床的に有意な差異はみられなかった。
成人の場合、わずか2-3の研究において、BMIや空腹時血糖の小さな改善効果が認められているに過ぎず、エビデンスの信頼性はかなり低いものだった。
非糖甘味料の低摂取者は、高摂取者に比べて、わずかに少ない体重増加(-0.09kg)が見られたが、これもエビデンスの信頼性は低かった。
小児の場合、非糖甘味料の摂取者は、(遊離)糖の摂取者に比べてBMIのわずかに上昇が認められたが、体重には差がなかった。
減量を試みている肥満の成人および小児に対して、なんらかの非糖甘味料の好ましい影響を示す良好なエビデンスは存在しなかった。
研究チームは、本研究が現時点におけるもっとも包括的なレビューであると主張している。それはWHOのガイドライン作成に情報を提供するものになるだろう。
けれども、チームが協調するのは、ここにあるエビデンスの多くが質の低いものであり、結果の信頼性には限界があるということである。特により長期の影響と安全性を検討した研究が必要であるという。
関連エディトリアルで、米国ハーバード大学のヴァサンティ・マリク博士は、さらなる研究が必要であることに同意している。
既存のエビデンスに基づき、彼女は遊離糖に代わる非糖甘味料の使用が、特に加糖飲料において、大量消費者の心臓代謝系リスクを低減させる戦略として、最終的には水やその他のより健康的な飲料への橋渡しとして有用だろうと述べている。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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