2018.12.18
, EurekAlert より:
西洋型の食生活の影響を全く受けていない南米の孤立して暮らす部族で、平均血圧が1歳から60歳まで上昇しないことが、米国ジョンズホプキンズ大学の研究から明らかになった。対照的に、幾つかの加工食品と塩を含む商品を摂取する近隣の部族では、中年後期になると血圧が上昇した。
米国はその他ほとんどの国々で、血圧はかなり幼いことから年齢とともに上昇していく。本研究結果は、西洋化の傾向が血圧を年齢とともに上昇させる原因であり、自然な加齢ではないという仮説を支持するものである。
研究チームは、1歳から60歳の72名のヤノマミ族の血圧を測定し、年齢による傾向が見られないことを発見した。研究チームはまた、近隣のイェクワナ族の83名の血圧も測定した。イェクワナ族は、食事に西洋の影響を受けており、加齢によって血圧が上昇する明確な傾向が見られたという。
ヤノマミ族は、ブラジル北部とベネズエラ南部の隔絶した熱帯雨林地域に住み、狩猟採取と農耕生活を送っている。彼らの食事は脂肪と塩分が少なく、果物と食物繊維が多い。ヤノマミ族の研究は1980年代に始まり、動脈硬化と肥満がほぼ存在せず、極めて低い平均血圧をもっていて、それが加齢とともに上昇しないことが知られている。
今回の研究は、ヤノマミ族の年齢に関係ない血圧の安定が、極めて幼いころからのものであることを明らかにした。また地理的に隣接して住むが西洋化されたイェクワナ族と初めて比較検討したものである。
出典は『JAMA心臓病学』。 (論文要旨)
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