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[高齢者]  食物繊維、脳の加齢スピードを緩和か
2018.12.17 , EurekAlert より:   記事の難易度 2
  

加齢にともない脳の免疫細胞の慢性的炎症が起こると、認知・運動能力の低下を招く有害な化学物質を産生する。炎症は誰もが避けられないが、その進行スピードは食物繊維の十分な摂取によって遅らせられる可能性があるという。米国イリノイ大学の動物実験による報告。

食物繊維は腸内の善玉菌の成長を促進する。善玉菌が食物繊維を消化する際には、酪酸塩などの短鎖脂肪酸を産生する。

酪酸塩は、脳の免疫細胞であるミクログリアに対する抗炎症作用のあることが、動物実験で確認されている。ただ、薬剤としての酪酸塩の効果は認められているものの、そのメカニズムは明らかになっていなかった。

今回の研究で、酪酸塩が老年マウスの炎症したミクログリアに作用し、有害な化学物質の産生を抑えることが明らかになった。その化学物質とは、たとえばインターロイキン1βで、アルツハイマー病と関連することで知られている。

酪酸塩がどう作用するかの理解は前進したが、研究者は同様の効果が、単により多くの食物繊維をマウスに与えることによって得られるのかについて興味を持っていたという。

「嫌な臭いがするので、人間は酪酸塩そのものを摂取しないでしょう。酪酸塩を多く得る実際的な方法は、水溶性食物繊維の豊富な食事を摂ることです」と著者のひとりであるジョンソン教授。腸内細菌が自然に食物繊維を酪酸塩に変えてくれることを利用するのだという。

共著者のウッズ教授は、
「ご存じのとおり、食事は腸内細菌の組成と機能に重大な影響を与えます。食物繊維の豊富な食事は善玉菌に良い影響を与え、一方で脂質やたんぱく質の多い食事では負の影響があります。食生活は腸内細菌の変化を通して病気に影響を及ぼす道筋になりえます」と話している。

今回の実験では、老年マウス、若年マウスそれぞれの群に低繊維食または高繊維食を与え、血中の酪酸塩やその他の単鎖脂肪酸の濃度や腸の炎症性物質を測定した。すると、高繊維食を与えた場合には老年・若年マウスともに酪酸塩・単鎖脂肪酸のレベルは上昇した。

しかし低繊維食を与えた場合は、老年マウスだけが腸の炎症を示したという。同じく低繊維食を摂った若年マウスが炎症反応を起こさなかったことは興味深く、加齢による脆弱性を強調する結果になった。

一方で、老年マウスに高繊維食を与えたところ、腸の炎症は劇的に軽減されたのだという。さらなる実験により、ミクログリアに特有な約50種の遺伝子を解析したところ、高繊維食が老年マウスの炎症を緩和することがわかったという。

ジョンソン博士は「食べるものは重要です。高齢者の食物繊維摂取量は、推奨量よりも40%少ないようです。充分な食物繊維を摂らないことは、想像だにしないもの、たとえば脳の健康に関連する炎症に対して負の影響がありえるのです」と結んでいる。

出典は『免疫学の最前線』。 (論文要旨)      
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