2018.12.13
, EurekAlert より:
ダイエットに失敗しても、もう一度チャレンジする意義は充分あるようだ、という米国パデュー大学などからの研究報告。
ホリデーシーズンに健康的な食生活を続けるのは難しい。ハロウィーンキャンディやパンプキンスパイスラテをみると、我々は突然野菜の味を忘れてしまったようになる。
ところで、我々の体重だけが、その間に健康に影響を与える因子というわけではない。心血管系疾患のリスク因子もまた食生活パターンの変化に敏感に反応する。それは月単位で変化する。
そのような食事の変更が、血圧やコレステロールといった糖尿病や心血管疾患のリスク因子に及ぼす影響を検討するために、研究チームは、ふたつの先行研究のデータを2次解析した。この研究の参加者は、高血圧を予防するためのDASHスタイルまたは地中海スタイルの食生活パターンを実施していた。
「我々のDASHスタイルの食生活パターンは、塩分摂取の調節に焦点が当てられている。地中海スタイルの方は、健康的な脂肪を増やすことに焦点が当てられている」と筆頭研究者のローレン・オコナーは語っている。「どちらの食事パターンも野菜、果物、全粒穀物が豊富に含まれる。」
先行研究では、参加者は、5-6週間にわたって健康的な食生活のいずれかを実行し、各リスク因子を測定した後、通常の食生活に戻って4週間過ごした後、再び測定を行ってから、もうひとつの健康な食事パターンを5-6週間にわたって実行し、最後にもう一度測定を行った。
データの2次解析の結果は予想通りのものだった。心血管系というのはジェットコースターだったのである。いかに健康な食生活によって参加者の健康状態が速やかに改善される様は印象的であったが、健康な食生活による血圧と総コレステロールの低下は、通常の食生活に戻るとすぐに元に戻ってしまったという。
その後もうひとつの健康な食生活によってまた血圧と総コレステロールの数値は改善された。ただし、LDL-コレステロールは、2度目は最初の半分程度の改善しかみられなかった。
「この知見は、もしあなたが最初のダイエットに失敗しても、もう一度チャレンジすることを推奨するものである」と主任研究者のウェイン・キャンベル教授は言う。「あなたの身体は、1回目のダイエットに失敗したからといって、食事パターンの健康増進効果に耐性をつけるわけではないようだ。最良のオプションは健康なパターンを続けることだが、もし失敗したらもう一度試みれば良いのである。」
健康な食事パターンをやったり止めたりの長期的影響については不明である。ピンポンダイエットについての研究結果によれば、体重の増減を繰り返すことは、ずっと安定した体重でいるよりもダメージが大きいことが報告されている。今回の研究にも同じことが言える可能性があるので、更なる研究が必要である。
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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