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[運動]  行動は腸内細菌にコントロールされている?
2018.12.6 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

行動の背後にある神経回路の調整は、腸内細菌が行っているようだという。この研究では特定の腸内細菌の有無によって動物の行動が過剰に活発になったり正常化したりする様子がみられたほか、脳の神経細胞との関係も明らかになった。米国カリフォルニア工科大学の報告で『ネイチャー』誌に掲載された。

カリフォルニア工科大学の微生物学教授であるマズマニア博士らは、細菌を保有していない無菌のショウジョウバエが過活動的であることを見出した。例えば、彼らは、正常なレベルの微生物を有するハエよりも、より速く、より遠くまで移動するのに、休息は短かかった。博士らは、腸内細菌がハエの行動に影響を与える可能性のある方法を調べた。

「運動は、交尾や食料の探索など、多くの活動にとって重要です。動物の根本的な行動には腸内細菌が重要なのかもしれません」と博士は述べている。

ハエは5-20種の異なる細菌種を保有しているが、博士のチームはこれらの微生物のいずれかを無菌動物に投与した。すると乳酸菌の一種ラクトバチルス・ブレビス(L.ブレビス)を与えたハエの動きは過活動状態が抑えられ、通常の速度になった。無菌ハエの行動を正常な状態に回復させた細菌はL.ブレビスを含め2種のみであった。

研究チームは、L.ブレビスがキシロースイソメラーゼ(Xi)という、砂糖を分解する酵素を持つことを発見し、それがこのプロセスにとって重要である可能性を見出した。Xiを単離し、無菌ハエに投与してみると、過活動を十分に抑えることができたという。

さらなる実験では、ハエの生命活動にとって重要な糖であるトレハロースのような特定の糖質のレベルをXiが微調整し、運動を調節し得ることを示した。Xiを与えられたハエは、与えなかった無菌ハエよりもトレハロースのレベルが低かった。正常な行動を示したXi投与ハエにトレハロースのみを与えた場合には、ふたたび過活動状態となり、糖がXiの効果を打ち消してしまうことが示唆された。

次に、研究者らは、ハエの神経系を調べて、細菌が誘導する運動に関与する細胞はどれかを探った。すると、無菌ハエの神経伝達物質オクトパミンを産生する神経細胞を作動させると、L.ブレビスの効果を打ち消すことがわかった。つまり、L.ブレビスまたはXiの投与によって行動速度が正常化したハエは再び過活動状態となったのだ。

また、通常の腸内細菌を持つハエのオクトパミン産生神経細胞を刺激すると、ハエはより速く動くようになった。しかし、他の脳化学物質を産生するニューロンを活性化しても、ハエの動きには影響がなかった。

マズマニア博士によれば、Xiは、栄養素のレベルを含むハエの代謝状態を監視しており、オクトパミン産生神経細胞をオンにするかオフにするかという信号を送り、行動の変化をもたらすようだという。

哺乳動物は行動を制御するために、オクトパミンの代わりにノルアドレナリンを産生する。

「腸内細菌は、哺乳類の運動やパーキンソン病などの運動障害においても同様の役割を果たすかもしれない」と博士は述べている。

細菌が哺乳動物を含む他の種の動きを制御するかどうかを調べるためには、さらに多くの研究が必要でだ。加えて将来的には、Xiがこれらの行動にどのように関与しているかをより深く調べる予定とのこと。

出典は『ネイチャー』。 (論文要旨)      
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