2018.12.5
, EurekAlert より:
間欠断食は、減量と健康促進を助けるが、それは通常のカロリー制限ダイエットに比べて卓越しているわけではないようだ、という独がん研究センター(DKFZ)とハイデルベルク大学病院からの研究報告。
研究チームは、HELENAと呼ばれる間欠断食についての現在までで最大規模の研究から、健康体重を実現する方法は一つではないと結論付けた。誰もが、最適な方法を見つけ、それを実施する必要があるという。
8時間好きなだけ食べて、16時間断食する? あるいは、週にまる2日分断食して、残りの日々をカロリーを気にせずに過ごす方が良い? 間欠(断続的)断食は、16:8ダイエットとか5:2ダイエットとも呼ばれている。ヨーヨー効果の少ない持続的な代謝変化と健康利益をもたらすものとして人気を集めており、多くの解説書が出版されている。
ドイツ栄養協会(DGE)は、けれども、間欠断食は長期の体重制御に適しているとはいえないという声明を発表している。加えて、DGEによれば、間欠断食には長期効果についての科学的根拠が充分でないという。
今回研究チームは、HELENA研究の一部として150名の肥満者を1年以上追跡した。まず、参加者をランダムに3群に分けて、1)通常のカロリー制限ダイエット(20%の制限)、2)5:2ダイエット(週当たり20%のカロリー制限)、3)対照群(他の群も含めて、DGEが推奨するバランスの良い食生活)を指導した。
その結果は驚かされるものであったという。HELENA研究チームは、どちらの介入群も同様に健康状態が改善されたことを発見した。「どちらの群も、体重、腹部脂肪を減らし肝臓の過剰な脂肪も減少した」と筆頭研究者のルース・シューベルは報告している。
特殊なMRT画像診断装置によって体脂肪の分布を測定したところ、小さなダイエットの成功が大きく健康を促進することがわかったという。わずか5%の体重変化で、危険な腹部脂肪が20%減少し、肝臓の脂肪も3分の1以上減少した。それはダイエットの方法には関係がなかったという。
他の代謝パラメータに関しても2つのダイエットの間には全く違いが見られなかった。また種々のバイオマーカーや遺伝子活性に関しても同様だったという。
「ヒトによっては、カロリーカウントをするよりも、単純に2日間何も食べない方が簡単で実行できるという人もいるだろう」と主任研究者のティルマン・キューンは語っている。「けれども、新しい体重を維持するためには、人々はバランスのとれた食生活にスイッチしなければならない。」
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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