2018.11.21
, EurekAlert より:
妊娠中のオメガ-3系長鎖不飽和脂肪酸(LCPUFA)の摂取の増加は、早産リスクの低下と関係があるようだ、という南部豪州保健医療研究所(SAHMRI)からの研究報告。
早産は、世界中で5歳未満の小児の主要な死因であり、そのために毎年100万人近い子供が亡くなっている。早産はまた、視覚障害、発達遅延、学習困難など広範な長期症状のリスクを高める。
「我々は早産が世界的に重要な健康問題であり、毎年1500万人に達する」と主任研究者のフィリッパ・ミドルトン准教授は語っている。「大部分の妊娠期間は38-42週間だが、早産児は37週よりも前に生まれる。早過ぎる誕生は死亡や貧しい健康のリスクを高めるのである。」
研究チームは、早産リスクにおける長鎖オメガ-3系脂肪酸、特に魚に豊富に含まれるDHAとEPA、の働きに注目して系統的レビューを実施した。70件のランダム化臨床試験を解析した結果、妊婦が毎日長鎖オメガ-3系脂肪酸を摂取することが、以下のことと関連することを発見した。
●早産(37週未満)のリスクが11%低下 ●超早産児(34週未満)のリスクが42%低下 ●低出生体重児(2,500g未満)のリスクが10%低下
「早産を防止する方法は多くないので、この新しい知見は妊婦、子供、医療者にとって極めて重要である」とミドルトン准教授は言う。「我々は早産の原因を完全に理解していないので、その予測と防止は常に挑戦である。それが世界中の研究者にとって、妊婦へのオメガ-3系脂肪酸のサプリメントが大きな興味を持つ理由のひとつである。」
出典は『コクラン・ライブラリー』。 (論文要旨)
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