2018.11.20
, EurekAlert より:
安静時代謝量は、1日のうちのいつ測定するかによって違いがあるようだ、という米国ブリガム婦人病院とハーバード大学からの研究報告。早朝に比べて、午後から夕方にかけて10%以上の上昇がみられるという。
この知見は、代謝制御における体内時計の役割の重要性を再確認するものであるという。シフト労働者など、食事や睡眠が不規則になりがちな者が太り易い理由を説明するものであるという。
「同じことをしても時間帯によってはより多くのカロリーを燃焼するかもしれないという事実は、我々を驚かせた」と筆頭研究者のキルシ-マリア・ジッティングは語っている。
代謝の日内周期を、活動、睡眠覚醒周期、食事の影響を排除した形で知るために、研究チームは、7人の参加者に、外界の時間を知る一切の手掛かりを遮断した特別な研究室で生活してもらった。この部屋には時計、窓、電話、インターネットがなかった。参加者は、就寝時と起床時にはそれを告げられた。毎夜、その時間はちょうど4時間遅くされた。旅行者が西向きに4時間分の時間帯を横切って進んだように、それが3週間に渡って続けられた。
「彼らは毎週世界一周をしたのと同等の時間帯移動をしたので、彼らの体内時計はそれを合せられなくなり、それ自身のペースで振動した」と共同研究者のジュアンヌ・ダフィーは語っている。「これが我々に日内の生物学的時計に全く左右されない代謝速度の変化を測定することが可能にした。」
そのデータは、休息時エネルギー消費量は、彼らがサーカディアンフェイズ(概日相)の〜0°と名付けた、通常であれば体幹部の温度が最低になる深夜に相当する時間に最低になった。そして〜180°、つまり12時間後に最大になった。これは通常であれば午後から夕方に相当する時間帯である。
研究チームはまた、三大栄養素の摂取量を反映する呼吸商が、サーカディアンフェイズに影響されることを発見した。こちらは夕方に最も低くなり、朝に最も高くなった。
本研究は、身体活動、睡眠覚醒周期、食事の影響を排除した形でヒトの絶食時の安静時エネルギー消費と絶食時呼吸商の体内リズムを初めて特徴付けたものである、と研究チームは述べている。
「何を食べたかだけでなく、いつ食べたか、いつ休んだかが脂肪の燃焼と貯蔵に影響する」とダフィーは言う。「習慣の規則性が全般的な健康に極めて重要である。」
出典は『最新生物学』。 (論文要旨)
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