2018.11.19
, EurekAlert より:
ウコンの有効成分であるクルクミンは、大動脈瘤修復手術を受けた患者の炎症及び合併症を予防する上で有益ではなかった、というカナダ・ウェスタン大学などからの研究報告。
クルクミンは人気のサプリメントであるが、有効性を示す研究の多くが動物研究であり、ヒト臨床試験はほとんど存在しない。これまでに、単一施設における臨床試験でクルクミンが炎症マーカーを改善したという報告がある。
今回研究チームは、カナダの10施設(病院)で腹部大動脈瘤修復手術を予定していた606人の患者をランダムにクルクミン群とプラセボ群にわけて検討を行った。
その結果、クルクミンはプラセボと比べて炎症にポジティブな改善を示さず、それどころか二次分析によってクルクミン群の患者は術後腎臓損傷のリスクが高まったことが明らかになった。
「我々の知見は、マスコミで騒がれるような健康効果を期待する前に、厳密な臨床試験を実施することの重要性を強調するものである」と研究者らはコメントしている。
出典は『カナダ医師会雑誌』。 (論文要旨)
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