2018.11.1
, EurekAlert より:
高血圧患者は認知症のリスクが高まるという、伊IRCCSニューロメッド地中海神経学研究所からの研究報告。MRIが高血圧者の脳の損傷兆候を極めて早期に発見できることがわかったという。
高血圧は、臓器の損傷を進行させる慢性的な状態である。アルツハイマー病と関連疾患の主要な要因は、遺伝よりもむしろ血管のリスク要因への慢性的曝露であることが広く知られている。
研究者らは、伊IRCCSニューロメッドの高血圧センターで40-65歳で、認知症や脳機能障害のない者を対象にMRIを実施した。
その結果、高血圧患者の脳では、3つの特定の脳の白質線維束で明らかな変化を示した。また、高血圧患者は、これらの白質線維束を通じて連結された脳領域に起因する認知領域において有意に悪いスコアであり、課題学習や、処理速度、実行能力の低下が示されたという。
全体として、MRIによる白質線維束の追跡は、高血圧患者の脳損傷の早期の兆候を示した。患者が実際の症状を示す前にこれらの変化を検出できるので、早期の薬物治療の標的とすることができるだろうという。
出典は『循環器研究』。 (論文要旨)
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