2018.10.29
, EurekAlert より:
子供の健康的な腸内細菌は2歳半ころまでに確立し以後は殆ど変化しないようだ、という英国ニューカッスル大学からからの研究報告。
本研究はまた、母乳哺育が良い腸内細菌を供給する上で重要な役割を果たしていることを再確認するものである。母乳に豊富なビフィズス菌が母乳哺育中止後急激に減少することを発見したという。
クリストファー・スチュアート博士らの研究チームは、パイオニア的なTEDDY(若年性糖尿病の環境因子)研究を含む患者コホートのデータを解析した。
ビフィズス菌は、プロバイオティクスとして用いられる有益な細菌のひとつであり、潜在的な治療可能性を秘めている。
本研究からは、母乳が利用可能でない場合に母乳哺育と同じ有益性を生み出すための方法を開発する情報を供給することが期待されるという。
研究チームは、TEDDY研究の903名の子供から12,500件の糞便検体(生後3カ月から46カ月まで毎月採取)を使用して腸内細菌の遺伝子を解析した。腸内細菌の組成は、1)発達期(3-14ヶ月)、2)移行期(15-30ヶ月)、3)安定期(31か月以降)に大きく分けられた。
経膣分娩は、バクテロイデスの一時的な増加を伴った。兄弟姉妹の存在、ペットへの曝露、地理的ロケーションもまた腸内細菌叢の組成に影響を及ぼしたという。
「我々は人生の最初の数年が腸内細菌叢の確立に重要であることを知っている。あなたは極めてわずかな腸内細菌と共に生まれ、腸内細菌コミュニティは最初の数年で組み替えられる」と米国テキサスのベイラー医科大学のジョーゼフ・ペトロシノ博士は語っている。
「本研究において、我々は人生の最初の数年における腸内細菌の確立について詳細に調べ、人生初期の様々なイベントの連鎖への曝露に影響されることがこの驚異的なコホートにおいて明らかになった。」
出典は『ネイチャー』。 (論文要旨)
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